弓道は、道具と場所さえあれば自分の練習したいときにいつでも練習できます。
また、他の運動と比べて、比較的運動量は少ないので、老若男女を問わずにできる競技です。
初心者として大学から始めても、すぐに入り込んでいけるでしょう。
弓道は、結果が精神面に大きく左右されます。常に自分との戦いです。
それこそが弓道の難しさであり、醍醐味でもあります。
しかし、始めからあまり難しく考える必要はありません。
まずは技術を鍛え、そのうちに心も鍛えられいきます。
弓道は、何度も壁にぶつかっては、それをひとつひとつ乗り越えて段々に上手になってゆくものです。
武道とはいえスポーツとしての面も間違いなくあり、練習した分だけうまくなります。
まずは基本に忠実であること、思うようにいかなくても辛抱強く練習することが上達への早道です。上達すればするほど弓道の面白さが分かり、好きになっていくことでしょう。
先ほど弓道は自己との戦いであると言いましたが、大学弓道は多くが団体戦で、チームの総合的中で競います。
このように個人競技とチーム競技の二面性を持つことも、他のスポーツにはない魅力です。
創部 :1892年(明治25年)に旧制一高弓術部として創部
流派 :本多流(正面打ち起し)
師範 :小林暉昌師範(東大弓術部OB)
総部員数 :41名、そのうち駒場生(2年生)12名(3月23日時点)
練習場所 :駒場生は基本的に駒場弓道場、本郷に進学すると本郷弓道場で練習。
最近の主な戦績:
男子 | 女子 | |
リーグ戦’13年 | II部2位 | II部2位 |
リーグ戦’14年 | II部4位 | II部2位 |
リーグ戦’15年 | II部4位 | II部3位 |
リーグ戦’16年 | II部4位 | II部3位 |
リーグ戦’17年 | II部4位 | II部3位 |
リーグ戦'18年 | II部5位 | II部5位 |
国公立大会’13年 | 団体優勝 個人優勝 瀬能高志 |
団体優勝 個人4位 藤沢祐未 |
国公立大会’14年 | 団体優勝(3連覇) 個人3位 原口裕基 |
団体準優勝 個人準優勝 藤沢祐未 |
国公立大会’15年 | 男子個人3位 鈴木暁 男子個人5位 岩田宗真 |
東大弓術部は、一八九二年に創部した、長い伝統を持つ部です。
創部当初の明治二五年に一高・東大に弓術師範として迎えられたのが故本多利実翁です。
翁は明治・大正における達人とうたわれ、また現代弓道界に多大な影響を残されました。
翁の没後、門人たちが翁の射風を敬慕して後に本多流と称するようになり、
東大道場は本多流の本拠地ともいえる位置にありました。
その後も代々の師範らを経て、現在まで本多流は東大道場に脈々と流れ続けています。
次に、何故「弓道部」ではなく「弓術部」なのか。それには深い理由があります。
即ち、学生たるもの“道”などという高尚な──理解しがたい──精神的観念にとらわれることなく、
若者は若者らしく身体的技術的な面を中心に稽古し、射技向上及び的中を厳しく求めよ、
技術を体得した後、道云々が言えるのだ、と言うことから、道の字を使わず術を採ったのです。
また本多流の精神は合理主義、科学主義です。
これも「道」ではなく「術」である理由です。
東大弓術部が未経験者が多いながら上位にあるのは、
そのような理念の下でしっかりとした指導がなされているからです。
本多流や弓術部についてもっと知りたいという人はこちらへ→本多流について 弓術部史
(1)練習の見学
(2)仮入部
(3)正式入部
駒場生の練習形態には、正式練習、自由練習、選手練習の3つがあります。
入部当初の1年生に関係があるのは正式練習です。
新入生の皆さんは仮入部以降、まず正式練習(以下“正練”と呼びます。)というものに参加します。
正練では、的に向かって弓を引けるようになるための基礎を上級生が指導します。
初心者が、いきなり的前で弓を引くのは不可能ですし、
経験者も基礎の確認や高校までとの違いを学ぶために、正練は重要です。
この正練は下の表にあるように授業のコマに合わせて、駒場の弓道場で行われます。
仮入部中は自由参加、正式入部後は週5コマ以上の参加がノルマになりますが、
どのコマに出るかは自由に選べるので授業との両立も容易です。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
8:40-10:05(1限) | ○ | ○ | ○ | ○ | 自 | 自 | 自 |
10:35-12:00(2限) | ○ | ○ | ○ | ○ | 自 | 自 | 自 |
13:10-14:35(3限) | ○ | ○ | ○ | ○ | 自 | 自 | 自 |
15:05-16:30(4限) | ○ | ○ | ○ | ○ | 自 | 自 | 自 |
17:00-18:25(5限) | ○ | ○ | ○ | 自 | 自 | 自 |
※1限~5限の練習では、途中10分間の休憩をはさみます。
※全て、駒場の弓道場で行います。
※自と書いてあるコマは自由練習用に設けてあるコマです。土日の自由練習はコマの時間に関係なく行うこともできます(例えば、土曜日の14:00~15:30 など)。
正式練習では安全のため、上はTシャツ、トレーナーなど襟やボタン、ポケットなどがなく引っかからないもの、
下はジャージやトレパンなどの長ズボンを着用してください。
正練では次の5つの段階を順に経て練習します。
(1)徒手
射法八節と呼ばれる、弓を引く際の一連の8つの動作を学びます。
この段階では何も持たず体を動かして、正しい形・流れを覚えます。
(2)ゴム弓
徒手で覚えた射法八節をゴム弓(弓と同じ太さの短い棒にゴムを張ったもの、このゴムを引く)を持って行います。
弓を引くときのような負荷を体に与えても体がぶれないように練習します。
(3)素引き
矢をつがえずに実際に弓を引きます。
より強い負荷を受け、ぶれない射に必要な体の使い方を習得しつつ、
加えて弓を持つ左手の動作が射法八節の中で正しくできるように練習します。
(4)巻藁
いよいよ矢を巻藁(まきわら、藁を束ねたもの、弓道の練習用の道具で2メートルほど離れたところから射る)に向かって放ちます。
このとき、実際の弓での「離れ(射法八節のうちの矢を放つ動作のこと)」の流れを掴み、正しい離れをマスターします。
(5)的前
ここで初めて28m離れた実際の的に向かって矢を放ちます。
巻藁の動きが的前でもできるようにし、狙いも練習します。
各段階での要点を習得できたと判断されれば、次の段階へ進むことが出来ます。
的前練習を重ねると的前試験を受けることになります。的前試験に合格すると、正式練習が終了し、自由に引けるようになります。
練習で会得したところの要所を押さえていれば、的前試験は必ず通過できます。
当然、正練に多く出れば進度が速く、早く的前で引けるようになります。空きコマや放課後を積極的に活用しましょう。普通の人は遅くとも7月末までには的前に立てるようになるでしょう。
正練は7月上旬で終了しますが、仮に進度が遅くても、自由練習の形で的前へ上がるまで指導します。
正練が終わり的前で弓が引けるようになると、好きな時間に来て、好きなだけ弓を引く自由練習が主になります。
そのため自分の生活スタイルに合わせて練習することが可能です。
試合の選手を選抜するために、全員で集まって実戦形式で練習を行います。
この選練で選手を選ぶ基準は全学年同じですから、結果を出せば学年に関係なく選手になることができます。
※あくまで例年のスケジュールの目安です。
正確な情報は年間行事予定をご覧ください
5月 国公立大会
五月祭(鳴弦の儀という儀式を行います)
6月 全関東学生弓道選手権大会
全国大学弓道選抜大会
7月 七夕射会(新入生が的に向かって引けるようになったことを祝って、射を上級生に披露する会です)
対東北大学定期戦(東大・東北大を交互に会場とします)
8月 全日本学生弓道選手権大会(インカレ)
強化練(於本郷)・合宿(5泊6日、毎年長野県白馬で行っています)
七大戦(七大学をローテーションで会場とします)
9月~10月 東京都学生弓道連盟リーグ戦
11月 駒場祭(毎年、壱年生だけでおしるこを売ります)
12月 対京都大学定期戦(東大・京大を交互に会場とします)
Jr.戦
1月 寒稽古
2月 トレーニング合宿(壱年生だけの合宿です)
3月 強化練(於本郷)・合宿(4泊5日、毎年千葉県で行います)
新人戦
運動部は忙しい、そんなイメージがあると思います。大学生になったら勉強は勿論、バイトや遊びも楽しみたいですよね。
四、練習についてでも触れましたが、正式練習は授業のコマに合わせて行われ、
的前試験合格後は自由練習が主なので、空きコマや空き時間に練習でき、バイトやサークルの時間も作れます。
実際の部員の一週間の時間割を見てみましょう。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1限 | 授業 | 全体練習 | 試合 | ||||
2限 | 授業 | 授業 | 授業 | 全体練習 | 試合 | ||
3限 | 授業 | 授業 | 授業 | 授業 | 授業 | 全体練習 | 試合 |
4限 | 授業 | 練習 | 授業 | サークル | 授業 | 試合 | |
5限 | 練習 | 授業 | 授業 | 全体練習 | 練習 | 試合 | |
夜 | 練習 | 練習 | 練習 | 全体練習 | 練習 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1限 | 授業 | 授業 | 試合 | ||||
2限 | 授業 | 授業 | 授業 | 試合 | |||
3限 | 授業 | 練習 | 授業 | 練習 | 授業 | 全体練習 | 試合 |
4限 | 授業 | 授業 | 授業 | 練習 | 練習 | 全体練習 | |
5限 | 授業 | 授業 | 練習 | 全体練習 | 授業 | ||
夜 | バイト | 全体練習 |
このように、部員それぞれが空きコマや放課後を利用し、
生活リズムに合わせて練習しています。
そのため自由時間も確保することができ、
部員はこの時間を勉強や趣味などにあてています。
Q.練習はどこでできるんですか。
A.普段の練習は駒場の弓道場で行いますので、遠くへ移動する必要は一切ありません。
また本郷にも道場がありますので、本郷進学後は本郷で練習ができます。
Q.費用はどれくらいかかりますか。
A.個人で最低限買い揃えてもらう必要のある道具(道着・矢・弽など、初期費用は6万円程度)はありますが、
基本的に弓などは部の備品を使用することができます。
また、部の道場を使用しますので施設利用費はかかりません。
Q.運動会ってなんか怖いイメージがあるのですが…
A.弓術部においては、理不尽な上下関係というものは一切ありません。
Q.大学から始めてみたいけど、やっぱり経験者には敵わないですよね…。
A.我が部の主力選手の半数以上は未経験者です。
未経験者も上級生の指導の下しっかり練習すれば必ず上達し、試合で活躍できます。